新刊レビュー
正月休みに書き忘れた、のが後ろにずれこんでいるがそのうちに辻褄を合わせようと思う。今年の年末はコミケにも行かず、実家には二度ほど帰ったが特に何もなく、ダラダラとインプットに努めてしまった(アウトプットしていないだけともいう)。 ■買った本 ・…
---本稿は『姿なき招待主』、『そして誰もいなくなった』、『九番目の招待客』のネタバレを含みます。読了の上でお読みください。--- 2023年、二冊の本がさほど時間をおかず刊行された。9月末に国書刊行会から出た『九番目の招待客』(オーエン・デイヴィス…
前週の飲み会三回(うち一回は仙台)でヘロヘロになってしまい、本を買えずまた読めずの週であった。 ■買った本(含む届いた本) ・ルーシー・ワースリー『アガサ・クリスティー とらえどころのないミステリの女王』(原書房)・中村融編『星、はるか遠く』…
その1に続けて、12月の前半に読んだ本の話。 --- 12/2:パトリック・レイン『もしも誰かを殺すなら』(論創海外ミステリ)★★★☆☆ もしも誰かを殺すなら (論創海外ミステリ 307) 作者:パトリック・レイン 論創社 Amazon 殺人事件裁判の陪審員が「被告を死刑に…
どう感想を書こうとしてもネタバレになってしまうので、ブログに書くことにする。というか以下のあらすじすらネタバレを回避するために、やや捻った書き方になっている。「クリックで展開」以降は決定的ネタバレなので、クリックは注意。 あらすじ: デイヴ…
これから出るよその同人誌を勝手に宣伝します。 『原子間諜 —原子の城〔アトムスク〕—』著者:嘉密斉・史密斯(カーマイケル・スミス)翻訳:森井勝利刊行:綺想社価格:6,000円 本作は「人類補完機構」シリーズで知られるコードウェイナー・スミス(=ポー…
ここまで完璧に売り方を間違った本というのもあまりないと思う。 世界でいちばん虚無な場所 旅行に幻滅した人のためのガイドブック 作者:ダミアン ラッド 発売日: 2020/03/27 メディア: 単行本(ソフトカバー) 本書は、オーストラリア人の著者ダミアン・ラ…
超久しぶりに新刊書店に行った。前回行ったのはウィリアム・ギャディス『JR』を買って国書税を納めた時なので、実に2週間以上ぶりである。本当はポケミスの新刊も買いたかったのだが、(スペースは空けてあったものの)まだ棚に出ていなかったので出直し。…
最近超熱心に本を読んでいる感を出してしまっていますが、それは会社帰りに古本屋に行かず、紹介したくなるようなレストランや飯屋にも行かず、自宅で身を細らせながら本を読んでいるからであって……どっちが正しい人生なんやろうな。 つまりネタが本を読んだ…
ぱっぱと片付けないと後がつかえているので、昨年分のお残しはあっさりと流していきましょうか。 --- マイクル・コナリー『贖罪の街』(講談社文庫): 前作『燃える部屋』(講談社文庫)での規則逸脱が問題となり、「定年延長選択制度(DROP)」を続けるこ…
コミケ疲れからか冬眠した三門がソリャっと目覚めるとそこは2019年であった。 皆さま、あけましておめでとうございます。新刊をさっさと読んで同人誌もズンズン読んで、おまけに既刊も読むつもりの冬休みでしたが、実際にはあんまり読んでなかったです。もち…
2013年、『白夜の爺スナイパー』(集英社文庫、2016年)でデビューした作家の第二作です。前作を大絶賛した身としてはかなり期待して読み始めたのですが、正直よく分からない部分が多々ありました。 砂漠の空から冷凍チキン (集英社文庫) 作者: デレク・B.ミ…
ロバート・ゴダード『謀略の都』(2013)を読みました。 謀略の都(上) 1919年三部作 1 (講談社文庫) 作者: ロバート・ゴダード,北田絵里子 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2017/01/13 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (2件) を見る 謀略の都(下) 1919…
ここもと文章を書く能力が絶滅しているのですが、せめてブログの読書感想文くらいは復調せねば、と150日ぶりくらいに更新します。 --- 西澤保彦『悪魔を憐れむ』(2016)は、タック&タカチシリーズの第10作目。シリーズ第1作の『解体諸因』が1997年の発表な…
シン・本格的にシン・刊極道をシン・行しないといけないのですが、いまひとつです。なお、ゴジラは観に行ってないです。 などと言いつつ、わりかし新刊と呼べそうな本を読めたので、感想を書き留めておきます。 ○レオ・ブルース『ハイキャッスル屋敷の死』(…
○ジョン・コラピント『無実』(ハヤカワ・ミステリ文庫) △ブラッドフォード・モロー『古書贋作師』(創元推理文庫) ◎ザーシャ・アランゴ『悪徳小説家』(創元推理文庫) 唐突ではありますが、自分のモチベーションアップのために、定期的に書評を上げていく…
看板に偽りしかない週刊読書記録という名の月刊読書記録を更新します。 ・買った新刊 ジョナサン・ホルト『カルニヴィア3 密謀』(ハヤカワ・ミステリ) E・C・R・ロラック『曲がり角の死体』(創元推理文庫) ヘレン・マクロイ『あなたは誰?』(ちくま文庫…
もう9月か、ということで、隔週刊ですらない月刊読書記録を更新します。 ・買った新刊 アーナルデュル・インドリダソン『声』(東京創元社) カーター・ディクスン『ユダの窓』(創元推理文庫・新訳) ジャック・カーリイ『髑髏の檻』(文春文庫) ボリス・…
単巻新刊レビュー復帰第一回はリサ・バランタイン『その罪のゆくえ』です。 2013年のエドガー賞(オリジナルペーパーバック部門)の候補作ではありますが、前情報が少ないこともあって、あまり読まれていないようなのは残念です。 その罪のゆくえ (ハヤカワ…
ということで昨日に引き続いて上半期回顧です。 フランシス・ディドロ『七人目の陪審員』(論創海外ミステリ) 街の薬剤師、グレゴワール・デュバルは順調な人生を送っていた。やや口うるさいが貞淑な妻との間に、二人の子供が生まれ、また自分で開発した薬…
数か月ぶりに浮上いたしました。ううむ、新刊レビューを順次書いていくという目標はいったいどこへやら。 復帰第一回ということで、昨年11月からの8カ月で読んだ新刊からこれは、というのを紹介しましょう。多分この辺から年度末ランキング投票で使う弾を選…
うっかりすると時間が空いてしまうので、思い立ったら書くのが吉ですな。今回はマイクル・Z・リューイン『神さまがぼやく夜』を取り上げます。 私立探偵アルバート・サムスンや夜勤専門の刑事リーロイ・パウダー、一家総出の探偵家族ルンギ家の冒険を描いて…
書くのは楽しい新刊レビュー、第二回は鬼畜大帝ジャック・ケッチャムとその愛弟子(?)ラッキー・マッキーの『わたしはサムじゃない』をお届けします。この本には表題作とその後日談「リリーってだれ?」、そして単発短編「イカレ頭のシャーリー」の三作品…
ということで新コーナーを発足します。本コーナーは「翻訳ミステリの新刊レビュー」を雑にやって行こうと思います。エドガー賞もそのうち更新したいとは思ってますよ? 地味に。第一回は、2015年1月刊のハヤカワ・ミステリであるトマス・H・クック『サンドリ…
放置してしまってごめんなさいの気持ちでいっぱいです。もう5月も終わりなんですが、とりあえず3月分の新刊レビューをアップします。4月分も今月中には何とか。本数が少ないので、国内・翻訳を同時に掲載します。 有栖川有栖『高原のフーダニット』(徳間書…
続いて翻訳編。 ドン・ウィンズロウ『野蛮なやつら』(角川文庫) 野蛮なやつら (角川文庫)作者: ドン・ウィンズロウ,東江一紀出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)発売日: 2012/02/25メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 35回この商品を含…
2012年2月の新刊レビューをお送りします。まずは国内から。 相沢沙呼『マツリカ・マジョルカ』(角川書店) マツリカ・マジョルカ作者: 相沢沙呼出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)発売日: 2012/03/01メディア: 単行本 クリック: 30回こ…
お次は翻訳編です。今月も力作多数。 アルジャーノン・H・ブラックウッド『秘書綺譚 ブラックウッド幻想怪奇傑作集』(光文社古典新訳文庫) 秘書綺譚―ブラックウッド幻想怪奇傑作集 (光文社古典新訳文庫)作者: アルジャーノンブラックウッド,Algernon Henry…
幾分遅れ気味ですが更新。2012年1月の新刊レビューをお送りします。今回は国内4本、翻訳5本です。まずは国内からどうぞ。 綾辻行人『奇面館の殺人』(講談社ノベルス) 奇面館の殺人 (講談社ノベルス)作者: 綾辻行人出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/01/…
続いて翻訳小説編をば。 スコット・ウエスターフェルド『リヴァイアサン クジラと蒸気機関』(新☆ハヤカワ・SF・シリーズ) リヴァイアサン クジラと蒸気機関 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)作者: スコット・ウエスターフェルド,小林美幸出版社/メーカー: 早川…