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三門優祐のつれづれ社畜読書日記(悪化)

Re-ClaM 第5号の目次を公開いたします

来たる11月刊行予定のRe-ClaM第5号の目次が確定しましたので、ここに公開いたします。

 

◆【特集】ロス・マクドナルドの新たな巡礼
フェアプレイの向こう側 ~ The Far Side of Fair Play ~(法月綸太郎
ある夫婦の物語――ロス・マクドナルドマーガレット・ミラーをめぐって(柿沼瑛子
『ギャルトン事件』を読む(第2回)(若島正
ロス・マクドナルド作品リスト(三門優祐)
初読者のためのロス・マクドナルド読書案内(三門優祐)

◆連載&寄稿
Queen’s Quorum Quest(第40回)(林克郎)
A Letter from M.K.(第4回)(M.K.)
海外ミステリ最新事情(第6回)(小林晋)
ROMから始める古典道(第1回)
Revisit Old Mysteries 総目次(第1回)(三門優祐)
オン・ザ・ロード・ウィズ・マンフレッド・B・リー(第1回)(ジョセフ・グッドリッチ)(三門優祐 訳)
第3回オットー・ペンズラー旧蔵書オークション参戦記(三門優祐)
「原書レビューコーナー」(小林晋)

 

今回の作家特集は「ロス・マクドナルド」。その巻頭に掲げるのは法月綸太郎氏の評論「フェアプレイの向こう側」です。2000年、「ユリイカ」に発表されるや「ロス・マクドナルドをいかに読むか」という問題意識にたちまちパラダイムシフトを巻き起こした傑作評論「複雑な殺人芸術」から20年、本編では『一瞬の敵』から後期ロス・マクドナルドの向かう先を占います。質量とも「複雑な殺人芸術」と双璧を成す、今の法月氏だからこそ書き得た最新作です。
各地の読書会に頻繁に参加され、マクドナルド/ミラー夫妻を愛することに掛けては人後に落ちぬ柿沼瑛子氏のエッセイ「ある夫婦の物語」を挟んで、次は若島正氏の連載「『ギャルトン事件』を読む」第2回。第1回で『一瞬の敵』をテーマに解説した「若島式・ロスマク読解法」を『ギャルトン事件』に適用するための、今回はいわば準備回。課題本をきちんと読み込めているかどうかの答え合わせになっています。本編を最大限楽しむためにも、『ギャルトン事件』を読む、また再読することを強くオススメいたします。
連載&寄稿は林氏、M.K.氏、小林氏の三氏に加えて新連載を開始。「ROMから始める古典道」第1回は、ROM誌の編集に携わられていた須川毅氏へのインタビューとなりました。今後、様々な方へのインタビューやエッセイご寄稿を通じて、ROM誌を始めとする「クラシックミステリ評論同人誌文化」が80年代にいかに作られていったか、また同時にクラシックミステリがいかに読まれていったかを示す貴重な資料を積み重ねてまいりますので、どうぞご声援を。併せて「ROM総目次」を全5回の予定で掲載していきます。
オン・ザ・ロード・ウィズ・マンフレッド・B・リー」は、近刊のクイーン書簡集の編者ジョセフ・グッドリッチがEQMMに連載したコラムの翻訳。クイーンの評伝やインタビューというとフレデリック・ダネイを中心にしたものが多い中で、「もう一人のクイーン」であるリーに焦点を当てた興味深い企画です。ご本人の許可をいただき、この度翻訳を掲載することになりました。こちらは全3回の予定です。

こちらは2020年11月22日(日)に開催される文学フリマ東京にて頒布いたします。120ページ、会場頒布価格1,000円の予定です。同時に、盛林堂書房での通販委託も行いますので、会場に来れないという方はぜひこちらをご利用ください。
また文学フリマ東京では、同時に翻訳作品集Re-ClaM eX Vol.2を頒布予定です。クリスティークロフツ同様、『フォーチュン氏を呼べ』でミステリ作家としてデビューして100年となるH・C・ベイリーの「家具付きコテージ」「雪玉泥棒」二編に加えて、エドワード・D・ホック「楽園の蛇」を収録。いずれも分量は30ページ近い、読み応え十分の作品となっています。こちらは100ページ、会場頒布価格500円の予定です(こちらも委託あり)。ぜひ二冊併せてお買い求めください。

さらにさらに、12月には別冊Re-ClaM Vol.3の刊行も予定しています。これまでM.K.氏のブックレビューを通じてのみ知られていたサスペンスミステリ作家、サミュエル・ロジャースの第二作『血文字の警告』(You'll Be Sorry!)については、発売日が確定次第改めてご紹介させていただきます。

それでは、文学フリマ会場でお目にかかりましょう。