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三門優祐のつれづれ社畜読書日記(悪化)

社畜読書日録20170608

仕事上がりに渋谷のBunkamuraで「ソール・ライター展」を観覧。
色遣いがナビ派チックであるとか、構図がドガっぽい(浮世絵っぽいと言っても可)とか、どう考えても日本人に受けないはずのない展覧会だった。モノクロも大変クール。金曜夜ということでかなり混んでいたが、平日昼にもう一度見に行く機会を作るかどうかちと悩ましい。流れで図録(というか写真集)も購入。
『All About Saul Leiter ソール・ライターのすべて』(青幻舎)\2,700

その後、東急からちょい奥に入ったところの東京オルで北欧ビールを少し。

 

佐野洋『空翔ける娼婦』(文春文庫)を読んだ。

推理作家「佐野洋」が探偵役を務める短編小説6編を収めた短編集。見事名探偵役を果たすことはまずなく、どや顔で推理を披露しても恥を搔いたり、あるいはなんだか分からないうちに警察が事件を解決したり、とカッコ悪いところを晒してしまう。それが面白いということもなく、なんとなくグダグダな作品が多いのだが、表題作だけちょっと目が覚める出来。

スチュワーデス(この言い方も時代を感じる)がフライト先で乗客と寝るらしい、という噂話の真相を突き止めるべく、ちょっとワクワクしながら合図のスープを注文してみる佐野先生が可愛い(いや気持ち悪い)。ところが、同じく合図を送っていた男が札幌のホテルで殺されてしまった、というところで探偵出馬。事件の真相は……同じ短編集の中でネタ被りというのも残念だが、もうひとひねりあってそれが結構意外。ここで多重○○○○(文字数不問)をぶっこんでくるか~と感心してしまった。それだけです。 

All about Saul Leiter  ソール・ライターのすべて

All about Saul Leiter ソール・ライターのすべて