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三門優祐のつれづれ社畜読書日記(悪化)

三門さんのだらだら雑記20120417

どうでもいい新刊書含め書籍を50冊ほど処分したら2000円になったので、古本屋に買い物に出かけることにした。金があれば本になる。これは避けがたく、仕方のないことである。

本日は早稲田の丸三文庫へ。ひげ眼鏡で、比較的若い店長が一人でやってる割に新しい店(2・3年だったか?)である。映画系、美術系が強いが海外文芸もそれなり以上にあるので、目の保養に使っていた。今日は即金があるので一冊くらいは買うか、という意気込み(安いな)。

前からあるのは知っていたバリー・ハナ『地獄のコウモリ軍団』(新潮クレストブックス)を買った。ポップでキッチュな表紙イラストが萌え萌え。ネットに上がっている感想も上々で、こりゃあ買うしかないの一冊。\800なり。昨日も書いたが、105円戦士の俺にとっては800円出すというのは相当のことなのである。いい買い物をした。この本については読んだら書きます。

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帰るか、という時になってまたも俺の眼は105円棚に引きつけられていく。「幻影城」が何冊か刺さっているのも気になるが、ここは馬場啓一『ザ・ハードボイルド』(CBSソニー出版)を拾う。よく分からないムック本をつい拾ってしまったのは、西村健がミステリマガジンで書いていたからだ。内藤陳追悼特集コラムで一行だけ、話のふりで触れた本が記憶に残っていた訳。帰ってからパラパラっと見たけど、内側のデザインが瀟洒。写真が白黒なのも味があっていい。私立探偵たちが、「ものにこだわる」ことを切り口に書かれたエッセーや、色んな人の「俺のベストハードボイルド」みたいなコラムが満載で、えらく読み応えがありそうな。しばらく寝床の横本にしとこう。

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今月のミステリマガジンはレジナルド・ヒル追悼特集もやっていて、本来的にはそちらが主で購入。新訳短編一本+追悼エッセイ、と分量的には物足りないが、その短編「恥をかく」は、ヒルらしい巧みな作品で、その死の大きさを(逆説的に)改めて感じさせるものだった。「恥をかくのは誰か?」いやー、素晴らしい。ミステリマガジンもたまにはいい仕事をする。「レジナルド・ヒルさん」というおっそろしく他人行儀な表記には閉口したけれど。

現在準備中の長めの原稿は、そのヒルに関するものの予定。週末にはあげたいところだが、乞うご期待。


地獄のコウモリ軍団 (新潮クレスト・ブックス)

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ザ・ハードボイルド―ものにこだわる探偵たち

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ミステリマガジン 2012年 05月号 [雑誌]

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