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三門優祐のつれづれ社畜読書日記(悪化)

三門さんのだらだら雑記20120423

ヒル原稿難航中。アリンガムは校正が難航中。

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いい加減どの号があるのか分からないミステリマガジンを一挙に整理。全部で150冊ほどあった。一番古いのが73年の6月号だが、ほとんどはここ10年程の刊行。多いんだか少ないんだかよく分からん。

特に古本で買ったものは買うだけ買って読んでないので、目次を見て「おお、こんなのが入っているのか」と驚かされること多。瀬戸川猛資若島正のエッセーの連載時の姿を確認できるのも面白い。
ミスターX(エドワード・D・ホックの別名義)の『狐火殺人事件』が分載されている号が何冊か出てきたので、順番に並べてみたところ、最終話掲載の75年2月号だけなかった。『狐火』は、今後も単行本化される予定がないだろう長編分載の一つ(有名なのはウェストレイク『誰がサッシマヌーンを盗んだか?』)。囚人移送車から逃亡した6人の犯罪者をチェスの駒(ポーン、ルークなど)になぞらえながら、彼らの逃亡を描く連作短編集とのことで、オチにあたる「キング」が読めないのは痛すぎる。

あと気になったのは、99年3月から集中連載が始まった「人気作家が語るミステリ・クラシック」。「コナリーのチャンドラー論」、「キーティングのセイヤーズ論」など、なかなかそそる企画。元ネタの紹介がない(少なくとも雑誌の中には見つけられない)のだが、おそらくPoisoned Pen Pressから出版された Az Murder Goes だろう。紹介者を、日本で翻訳のある作家に絞った風だが、ダフネ・デュ・モーリア論、スチュアート・パルマー(!)論、黄金時代総論、オックスフォード派論(イネスとか?)などなどなど読みたいのが揃っている、思わず原書をポチってしまう。

他、フランスミステリの紹介の号やら、ジョイス・キャロル・オーツ(短編すごく上手い)の訳載の号やら、異色作家短篇の号やら、20冊ほど発掘してしまった。我が家で古本屋気分が味わえるのは美味しい。

通勤カバンに一冊ずつ忍ばせて、少しずつ読んで行きたいね。


Az Murder Goes: Classic (AZ Murder Goes...)

Az Murder Goes: Classic (AZ Murder Goes...)