2012-01-01から1年間の記事一覧
お次は翻訳編です。今月も力作多数。 アルジャーノン・H・ブラックウッド『秘書綺譚 ブラックウッド幻想怪奇傑作集』(光文社古典新訳文庫) 秘書綺譚―ブラックウッド幻想怪奇傑作集 (光文社古典新訳文庫)作者: アルジャーノンブラックウッド,Algernon Henry…
幾分遅れ気味ですが更新。2012年1月の新刊レビューをお送りします。今回は国内4本、翻訳5本です。まずは国内からどうぞ。 綾辻行人『奇面館の殺人』(講談社ノベルス) 奇面館の殺人 (講談社ノベルス)作者: 綾辻行人出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/01/…
第二回:誰が被害者を殺そうと構うものか。 今回はイギリスの女性作家、クリスチアナ・ブランドを取り上げる。1941年、『ハイヒールの死』でデビューした彼女は、デビューそのものは遅かったが、黄金時代の巨匠である、アガサ・クリスティー、エラリイ・クイ…
続いて翻訳小説編をば。 スコット・ウエスターフェルド『リヴァイアサン クジラと蒸気機関』(新☆ハヤカワ・SF・シリーズ) リヴァイアサン クジラと蒸気機関 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)作者: スコット・ウエスターフェルド,小林美幸出版社/メーカー: 早川…
おばんです。 こまめに更新をしたいけれども、夜の寒さに負けてついつい布団に潜ってしまう今日この頃です。2011年12月の新刊レビューをお送りします。今回は国内四本、翻訳六本となります。では国内からどうぞ。 上田早夕里『リリエンタールの末裔』(ハヤ…
ドロシー・L・セイヤーズ『誰の死体?』再読に寄せて執筆:TSATOⅠ ドロシー・L・セイヤーズを評するのによく聞く言葉で「本国英国ではクリスティと並び称されている(ほどの)作家」というものがある。とはいえ彼女の作品は「本格ミステリ」という日本語で…
Ⅱ. 『誰の死体?』はデビュー作ではあるものの、後の作品を思わせる要素が多く見られるのも特徴だ。セイヤーズの作風は一般的に前期と後期に分けられて考えられているが、デビュー作の時点ですでに、後期作で見られるようなDetective Storyそのものへの批判…
全作品解題をやってもいいんですが、みるみるスペースが埋まるので一作だけキャッチーなのを選びます。髑髏島の惨劇 (文春文庫)作者: マイケルスレイド,Michael Slade,夏来健次出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2002/10メディア: 文庫 クリック: 18回この商…
第一回:マイケル・スレイドを、読むな! 最近若い人と話をしていて、「翻訳ミステリって何から読んだらいいか分からない」という言葉を耳にする機会が多い。そういう人は真面目だなー、と思う。いや、自分がその辺にあった本を適当に読んでいっただけで、系…