7月(上旬)読書記録
週単位くらいで読書記録のまとめをつけて行きたいと思います。(更新促進策)
とりあえず期間は7月1日~14日です。
・買った新刊
グスタボ・マラホビッチ『ブエノスアイレスに消えた』(ハヤカワ・ミステリ)
サイモン・ベケット『出口のない農場』(ハヤカワ・ミステリ)
リサ・バランタイン『その罪のゆくえ』(ハヤカワ・ミステリ文庫)
ベリンダ・バウアー『生と死にまつわるいくつかの現実』(小学館文庫)
ボリス・アクーニン『トルコ捨駒スパイ事件』(岩波書店)
エミリー・セントジョン・マンデル『ステーション・イレヴン』(小学館文庫)
そういえばまだ『ユダの窓』を買っていません。復刊なので、別に読まなくてもいいような気はしますが、自分が翻訳ミステリにハマったきっかけの一つと言える作品なので、やはり外せません。
他、今月出る作品で要注目の物としては、ジョー・ネスボ『ネメシス』(16)、アン・クリーヴス『水の葬送』(21)、アーナルデュル・インドリダソン『声』(29)あたりでしょうか。リンジー・フェイは買わないと思います。
・読んだ新刊(超主観的判定による採点、10点満点)
⑧ クリスチアナ・ブランド『薔薇の輪』(創元推理文庫)
⑦ ベン・H・ウィンタース『カウントダウン・シティ』(ハヤカワ・ミステリ)
⑥ ブレイク・クラウチ『ウェイワード-背反者たち-』(ハヤカワNV文庫)
⑦ サイモン・ベケット『出口のない農場』(ハヤカワ・ミステリ)
⑥ エミリー・ブライトウェル『家政婦は名探偵』(創元推理文庫)
⑨ リサ・バランタイン『その罪のゆくえ』(ハヤカワ・ミステリ文庫)
平均点高めでありがたいことです。
『薔薇の輪』は、ブランド作品の水準としてはそこそこ(『緑は危険』『ジェゼベルの死』『疑惑の霧』あたりと比較するとさすがに可哀そう)ですが、嘘と欺瞞と虚栄と傲慢がぐちゃぐちゃに入り混じった中で生まれた異形の「謎」とまともに組み合って苦労するチャッキー警部にひとつ「いいね!」を進呈したいところ。(ふと、コックリルだったらこの異形をどう捌くか、見てみたくなりました)
『ゲルマニア』は、刊行前に某所のビブリオバトルを勝ち抜いたので、話題になっています。ベルリン空襲下でゲシュタポの大尉とユダヤ人の元殺人課刑事が協力して(裏に色々な思惑が働いている、一筋縄ではいかない関係ですが)猟奇殺人に挑む歴史小説ですね。戦後生まれの作家だそうですが、歴史考証に力を入れているのが良く分かります。とはいえ、謎解き部分はやや腰砕けで残念。
『出口のない農場』は、法医学探偵が活躍するシリーズの作者による初の単独作品。ツイッターでも書きました通り、大変こうエロゲ的お約束に則って書かれており、こういうのって全世界共通のボンクラ妄想なのかな、と。ほっこりしつつも「これ何か絶対おかしいだろ」という思いを消しきれない読者にきっちり最後の一撃を決めてから終える辺りは実に分かっていると思いますが、出来は普通。
なお、『その罪のゆくえ』については、久々に⑨判定が出ましたので、別個に項を立てて書きたいと思います。