深海通信 はてなブログ版

三門優祐のつれづれ社畜読書日記(悪化)

第5回文学フリマ福岡に出展します

Re-ClaM編集部西へ。
Re-ClaM史上初(というよりも三門史上初)、東京以外の文学フリマに参加いたします。10/20に福岡で実施される「第5回文学フリマ福岡」にて僕と握手!
この度新刊として、Re-ClaM eX vol.1 をご用意しております。

Re-ClaM eX は、WEB Re-ClaM(https://note.mu/reclamedit)掲載の試訳短編をまとめた冊子です。ネットで無料で読めるけど、小説を読むならやはり紙の本が欲しいよねという奇特な皆様のご要望に応えました。もちろん、ただまとめるだけでは面白くないということで、2019年7月~9月に掲載した3編を大幅改稿の上、さらに2編を訳し下ろしました。収録作品は以下の5編となります。

・クリストファー・セント・ジョン・スプリッグ「あるヨットマンの死
・シリル・ヘアー「鞭を惜しめば
・ドロシー・L・セイヤーズ午前の殺人
・ルーファス・キング「放蕩花婿事件」(訳し下ろし)
・ヘンリー・ウエイド「嫉妬深い射手」(訳し下ろし)

適当に選んだ割にはいずれ劣らぬ秀作揃いで、訳した私自身が驚いているのは秘密にしておきます。ここでは訳し下ろし作品を軽くご紹介。

キング「放蕩花婿事件」は、何編か翻訳されているコリン・スター医師を主人公にしたシリーズの初期短編。特色である医学ネタの面白さに加えて、「いかにして計算高い犯人のミスを誘い出すか」「決定的なヒントはどこに書かれていたのか」の二点で読者を最後まで翻弄する、出来のいいパズラー小説です。
ウエイド「嫉妬深い射手」は、ノンシリーズ短編。管区で貴族が催した狩りに参加した警察本部長が目撃した「他人の獲物を横取りする強欲な男」が目論む犯罪計画が、警察の組織力によって一気に破綻へと追い込まれていく様子を描いた作品。謎解き要素はありませんが、議会で「仕事をしていない」と叩かれる本部長の切れ者ぶりが愉快な佳品です。

この同人誌は、A5サイズ84ページで500円となります。文学フリマ福岡で頒布した後、書肆盛林堂にて通販を実施、残部は文学フリマ東京に持ち込む予定です。文学フリマ福岡には、過去に頒布したバークリー書評集なども持っていく予定ですので、九州地区の方で、「バークリー書評集、欲しいけど買ってない」という方がいらっしゃいましたら、そのついでにぜひRe-ClaM eX もお求めください。