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三門優祐のつれづれ社畜読書日記(悪化)

別冊Re-ClaM 第1巻がいよいよ出ます

既に過去のエントリでお知らせしている通り、別冊Re-ClaM の第1巻を刊行します。

第1巻は『死の隠れ鬼 J・T・ロジャーズ作品集』と題し、『赤い右手』でつとに知られるJ・T・ロジャーズの中短編を紹介します。なお、原書房の「奇想天外の本棚」で刊行予定という『恐怖の夜、その他の夜』との重複はありません。

『死の隠れ鬼』の収録作品は以下の通りです。

・「死者を二度殺せ」 "Murder of the Dead Man" (1934)

・「真紅のヴァンパイア」 "The Crimson Vampire" (1938)

・「死の隠れ鬼」 "The Hiding Horror" (1935)

これらの三作品はロジャーズの数多い中短編の中でも初期に属するもので、もう一冊の作品集 Night of Horror(『恐怖の夜、その他の夜』)が主に40年代以降の作品を集成しているのとは好対照です。シーズンオフのフロリダのホテルを舞台に毒蛇を用いた恐るべき陰謀を描く「死者を二度殺せ」、お得意の飛行機小説を怪奇趣味とドッキングした「真紅のヴァンパイア」、そして嵐の夜に大邸宅から影のように消えた殺人狂を追う「死の隠れ鬼」……完成度では後年の作品にやや譲るものの、いずれもパルプマガジン初出作品らしい、異様な熱気の籠ったスピード感溢れる作品ばかり。いつ出るかは分かりませんが『恐怖の夜、その他の夜』と併せて読んでいただければ幸いです。

 

さて、本書は以下の通り頒布いたします。

8月上旬から書肆盛林堂にて通販を開始します。詳細な頒布開始日程は追ってtwitterにてお伝えします(なお、古書いろどりにも委託いたします)。

コミックマーケット96@8/11(日)で、書肆盛林堂様(西こ17a)にて委託頒布を行います。会場限定のペーパーを用意する予定です。

なお、①②とも頒布価格は2,000円となります。

 

ところで、別冊Re-ClaM は第2巻のことももちろん検討中です。

別件で三門がバタバタする上に、Re-ClaM 第3号・第4号の作業もあるためいつ出るかはお約束できませんが、出す本は決めましたし何なら第1巻巻末に予告も入れました(もう後には引けない)。お待たせしてしまうのは申し訳ありませんが、長くのご贔屓のほど、よろしくお願いいたします。

 

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