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三門優祐のつれづれ社畜読書日記(悪化)

別冊Re-ClaM Vol.1 企画裏話

8月に出る第1巻のあとがきにでも書けば良さそうな内容をここでぶっちゃけてしまおうというエントリです。

さて、三年ほど前からミステリの翻訳出したいと言い続けているが未だに達成できていない。そろそろなんかやるかな~と考えた矢先に評論の「Re-ClaM」なぞ立ち上げてしまって、ますます目標が遠ざかるばかり……とぼやいていたのだが、諸事情により「別冊」を作ることになった。

諸事情といっても難しい話ではない。要するにスペースの問題だ。本誌掲載の予定で進行していた作品の翻訳(の初稿)が、届いてみたらものすごく長かったのである。文字数にして6万、1ページ1,000字計算で60ページ、実態は80ページ弱か? そんなの100ページ目算の本誌(※)に入るわけないじゃん! ファイルを開き、文字数を確認した瞬間、私の脳裏には「別冊」の文字が浮かんでいた。そして、せっかく「別冊」を作るならこれまで訳した作品も収録させてもらって200ページくらいの本を作ってやろう!という発想までは数瞬であった。2/14の出来事である。

そこから Ramble House に連絡だ。Ramble House の担当者(あのクレイジーな表紙画像を描いている Gavin O'Keefe 氏)から連絡先を聞き出して、著作権継承者の Tom Rogers 氏に渡りをつけた。幸い Tom は非常に友好的に対応してくれて、他の付帯条件なしで翻訳権を許諾してくれた。雑誌発表が40年代とはいえ、本が出たのはつい最近だし、著作権継承者が判明しているなら仲良くしておいて損はない。

さて、そこから過去の原稿も含めて直しを入れつつ現在に至る。表紙も発注を掛ける予定で、個人的にも本が出るのが楽しみでしょうがない。まあ、編集作業の進捗は20%くらいだが……創作中心の「別冊Re-ClaM」はVol.2以降も続けていく所存だ。売れ行きは期待できないかもしれないが、やる意義は十分にあると信じる。

 

※結局160ページになった。合同誌のP数調整難しいね。

 

Killing Time and Other Stories

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