最近ちょっと買いすぎなので記録してレコーディングダイエットする。
4/24(火):曇りのち雨のち曇り
休みなので昼から神保町へ。前日ポパイの増刊号を買い、完全にカレー脳になっていたはずだが、途中の電車で「汁なし担々麵喰いてえなあ」となり、九段下の雲林坊を目指すことに決めた。普通に考えれば九段下まで行くべきなのだが、「乱数調整で少し歩こう」となる辺り、ブックオフRTA勢に毒されている。結局飯田橋で下車。ブックオフがあるので古本効率は良い、はずだ。結局文庫本を五冊購入。いきなり重いんですがそれは……
竹書房を横目に南下。雲林坊に辿り着くあたりで空模様が段々心配になる。並んで食券を買うが、自分でも気が付かないうちに普通の担々麵のボタンを押していたらしく、汁なしは次回に持ち越し。朝を食べていなかったとはいえ、大盛痺れ辛さ増しにご飯中で結構お腹いっぱいになる。
店を出たところで雨が降り始める。雨具なぞ持っているはずがないよなあ? クソーッと毒づきながらとりあえず古書いろどりを目指す……が、ダメッ!今日はお休み……なんだこれは……乱数調整失敗しとるやないかい……悲しみに暮れ雨に打たれながら(大して降ってないしすぐ止むだろうしとビニ傘を買わない)アットワンダーへ。外の均一は当然なし……と店頭入り口に移動された棚をチェックすると、ここで古本神がリアルラックと引き換えに少しだけ微笑みを見せる。70年版世界ロマン文庫箱ありがぞろっと揃ってすべて200円(税別)……だと……未所持中心に5冊選んでお買い上げ。
・ジョルジュ・シムノン『フェルショー家の兄』(筑摩書房・世界ロマン文庫)\216
・リチャード・ヒューズ『ジャマイカの烈風』(筑摩書房・世界ロマン文庫)\216
dメアリ・スチュアート『この荒々しい魔術』(筑摩書房・世界ロマン文庫)\216
・ジェフリー・ハウスホールド『影の監視者』(筑摩書房・世界ロマン文庫)\216
・ギルバート・フェルプス『氷結の国』(筑摩書房・世界ロマン文庫)\216
『この荒々しい魔術』はダブり買い。古本市でかつて1000円で買ったことを考えると、古本マーフィーは確実に機能している。なお、今回は帯付き。ところで『氷結の国』均一はやばくないですか。私はこの本を瀬戸川猛資のブックガイドで知りましたが、十ン年越しの発掘でとても嬉しい。ありがとう古本神。
その後、雨も止んできたので通り沿いにぶらぶら歩いていくと澤口がまたポケミスを山のように均一(~300)で出していたのでダメ元でチェックを入れる。一冊購入。
dマーガレット・ミラー『これよりさき怪物領域』(ポケミス)\300
その後、三省堂まで歩いてチェック(何もなし)、かんたんむをチェック(何もなし)、羊頭をチェック(休み)。まあこんなものでしょう。今日神保町に来た目的は未所持カーの洗い直しなんだけど、その点は進展なし。
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夜中に陳舜臣『炎に絵を』(文春文庫)を読む。初読。陳舜臣はこれで5冊目。不勉強で全然読んでいないのが恥ずかしい。最近固め買いしたので、集中的に読みたいところだ。
神戸への転勤を打診されている主人公の葉村省吾が、年の離れた兄一郎から父康風の過去についての調査を引き継いでくれと頼まれるところから物語が始まる。父は中国国民党の革命資金を持ち逃げしたとされており、一部では悪名高い存在だった。物心ついてまもなく死んだ父のことはほとんど覚えていないし、家の名誉にも興味はない。それでも、病に斃れ余命幾ばくもない兄の頼みだからと神戸で調査を始めた省吾だったが、事態はどんどんきな臭くなり省吾自身もなぜか命を狙われる羽目に。
まさにロマンシングな大傑作。自分には無関係な過去を掘り下げていくと、それが巡り巡って自分のオリジンを探ることに繋がっていく、というのはロバート・ゴダード『蒼穹のかなたに』(文春文庫)にも通じるテーマだが、そこからさらにもう一段階踏み込んだのが本作(当然だが発表は本作が先行)。にもかかわらず、文庫本300ページでぴったり収めて余剰も不足もない。戦争も人間も日本も中国もなにもかも飲み込んで、ひとつの極上の読み物に仕立て上げる著者の腕力とセンスには脱帽する。