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三門優祐のつれづれ社畜読書日記(悪化)

「私訳:クリスチアナ・ブランド短編集」について①

 先にも書きましたが、5/6(日)の第二十六回文学フリマ東京にて、「私訳:クリスチアナ・ブランド短編集」を頒布します。スペース位置は2階のカ-57。サークル名は「クラシックミステリゲリラ翻訳部」です。

 さて、「私訳:クリスチアナ・ブランド短編集」とはどういうことか。皆さんご存知の通り日本ではクリスチアナ・ブランドの短編集は二冊刊行されています。具体的には『招かれざる客たちのビュッフェ』(1990、創元推理文庫)と『ぶち猫』(2007、論創海外ミステリ)です。この2冊でクリスチアナ・ブランドの(出来のいい)短編は相当カバーできるのですが、実は雑誌に掲載されたまま未収録になっている作品が17編あります。また、ブランドは未訳の短編もいくつかあり、明確にミステリ/犯罪小説のジャンルに入る作品にも少なくとも4編未訳が残されていると言います。

 しかし、今回翻訳したのはまったく新発見の短編2編です。これらは1958年にブランドがイギリスの地方新聞 The Daily Sketch に寄稿したまま2017年まで忘れられていました。そのうち一作("Bank Holiday Murder")は本国版EQMM誌(2017年9月/10月号)に掲載、もう一作("Cyanide in the Sun")はジョン・ピュグマイアとブライアン・スクーピンが共編した不可能犯罪アンソロジー The Realm of the Impossible ※1 に発表されました。ピュグマイアーのブログによると、これら二編を含むブランドの短編集を現在企画しているとのこと。詳細は以下のブログ記事をご確認ください。

Two Christianna Brand short stories – Locked Room International

※1 なお、同書にはリンタロー・ノリヅキの「緑の扉は危険」とソージ・シマダの「Pの密室」が収録されています。

招かれざる客たちのビュッフェ (創元推理文庫)

招かれざる客たちのビュッフェ (創元推理文庫)