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三門優祐のつれづれ社畜読書日記(悪化)

社畜読書日録20170528

何が悲しうて労働日である。しかも朝が早い。その分帰りも早いので、久々に(といっても先週の土曜日以来だから最近だ)西荻窪盛林堂書房へ。大して買わない客で申し訳ないが、店長さんとやるかもやらないかもしれない同人誌の企画で盛り上がる。

・俺的〇〇年代ミステリ傑作選(30年代とか選びようがないですって~)
・架空〇〇年代ミステリ傑作選(植草甚一なら、瀬戸川猛資ならこう選ぶかも~のような遊び)
・論創海外ミステリ読書ガイド(200冊記念とかで誰かがやったら買うが、誰がやるんだ誰が……)

他、論創の近刊である『鉄路のオべリスト』/『鮎川哲也探偵小説選』の話(日下さんの解説を読みたい/鮎哲訳の海外短編セレクト法/鮎川哲也旧蔵書の行方……)など。相変わらず行くとためになるお店である。結局買ったのは以下二冊。

ジャック・フットレル思考機械の事件簿Ⅰ』(創元推理文庫)\100
ジェイムズ・E・ケイランス『ジョン・ディクスン・カーの毒殺百録』(本の風景社)\4,000

カー私家版評論本はS・T・ヨシの『ジョン・ディクスン・カーの世界』や、『ジョン・ディクスン・カー ラジオドラマ集』など、結局全部盛林堂書房で買うことになった。ラジオ・ドラマ集はCDの方、ヨシ本は部数限定のおまけつきと、日本に数十点くらいしかない方を買えているので、大変良いお買い物でした。ただし値段も相応(盛林堂書房は大変良心的だが)。

家に着いたらamazonで買った洋書が二冊到着。当初の予定よりも10日近く早く届く。うーむ、こうなるとますます洋書を買うハードルが下がるな。

George Bellairs The Dead Shall Be Raised / The Murder of a Quack \1323
J. Jefferson Farjeon The Mystery in White \1340

今回買ったのは長編翻訳企画用だが、電子書籍では分からぬ分厚さにめげかける。ブレアズはどちらかだけになるかも。

 

今日の読書感想は、アガサ・クリスティー『スタイルズ荘の怪事件』(アガサ・クリスティー文庫)です。古典づいている。
真実を突き止めるまでは多くを語らないポアロが何気なくこぼした内容が、ヘイスティングズ(≒読者)の思考を惑わせ、操るようにも読めるのが面白い。犯人側の策略と他の人物たちの思惑と、そしてポアロがそれに輪をかけて巡らす謀略とが噛み合って、意外な真相へと至る。大変お手本的な作品だと思う。さておき、登場人物たちの階級意識とかまで踏まえて読むとさらに面白いという話なのだが、難しいですね。読書会までには原文にも目を通しておかないと。 

スタイルズ荘の怪事件 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

スタイルズ荘の怪事件 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)