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三門優祐のつれづれ社畜読書日記(悪化)

三門さんのだらだら雑記20120523

気が付いたら一カ月が経過していたとかよくあることである。

ネタがない時はネタになることをしろ、ということで読めない洋書の文字だけ追ってみた。『居心地の悪い部屋』収録の二作品で、一気に注目が高まっているブライアン・エヴンソンの Altmann's Tongue から三編。

"The Father, Unblinking" 「父、瞬きもせず」の題で翻訳済みのためスルー。読解力不足を思い知らされる結果になるので、既訳・既読の物は読みません。
"Killing Cat" ペットの猫を殺したいが自宅の近くではやりたくないという知り合いのために、主人公が車を出して町外れまで連れて行ってやる、というまさにタイトル通りの話。猫の可愛い挙動を描写してみたり、子どもが付けたという名前を執拗に呼んでみたりと、主人公(=読者)への嫌がらせが激しい。衝撃度は低いが、ラストはかなり厭な感じで終わる。
"Altmann's Tongue" アルトマンを殺した主人公が返す刀でホルストを殺す話だが、全く説明できた気がしない。ほとんど省略不可能。二ページしかない作品だが、異様さは際立っている。ラスト数行で本当に鳥になって飛んでいった主人公はどこに消えたのか。
"The Blank" 突如部屋に引き籠ったソーン、ソーンからの伝言メモを受け取り続けるボゼフュス、ソーンが自分を事故死させようとしていると信じるグラウザーの三人がまったく絡まないまま話が進む。三人を含む数十人のグループは、敵に囲まれた砦に立て籠もっているという設定だが、実際には外には敵などいないようだ。ソーンの死を確信し、グループを離れた十数人はボゼフュスによってなぜか殺される。グラウザーは砦の中の階段を下り、謎の洞窟に辿りついたようだが、話はそこで切れている。意味が分からないよ。どうも次の短編に続いているらしい(登場人物が共通)ので、また明日読もう。一応つじつまが合うことを祈っている。

ということで、20ページほど読んだ。この勤勉さをぜひ維持したい。


Altmann's Tongue: Stories and a Novella

Altmann's Tongue: Stories and a Novella