【第3便】2011年11月新刊レビュー(翻訳編)
国内編の(その1)に続いて(その2)は翻訳編です。あれがない、これがないと若干の不満も残りますが、とりあえず今回はこんなところで。
ユッシ・エーズラ・オールスン『特捜部Q-キジ殺し-』(HPM)
特捜部Q ―キジ殺し―― (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1853)
- 作者: ユッシ・エーズラ・オールスン,吉田薫(翻訳),福原美穂子(翻訳)
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2011/11/10
- メディア: 単行本
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マーティン・ウォーカー『緋色の十字章』(創元推理文庫)
- 作者: マーティン・ウォーカー,山田久美子
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2011/11/11
- メディア: 文庫
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ニック・ストーン『ミスター・クラリネット 上下』(RHブックス・プラス)
マーティン・ウォーカー『緋色の十字章』(創元推理文庫)
- 作者: ニックストーン,熊谷千寿
- 出版社/メーカー: 武田ランダムハウスジャパン
- 発売日: 2011/11/11
- メディア: 文庫
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己の「正義」を通すためならば、物質的成功/精神的安寧を手放すことすら辞さない私立探偵は、その信念に導かれるまま「この世の地獄」ハイチを彷徨する。あらゆるものを見、様々な人々に多くの質問を投げかける中で、彼はある一つの真実に至る。しかし彼が得たすべての最悪の経験は、信念を貫こうとする傲慢さを挫く。その存在もあやふやな勝利は、もはや正義にしか見えぬ強靭な「信念」を持つ、強い「悪」によって保持される。
対して、村の秩序と村人の安寧をただ求める田舎の警察署長は、その立場にもかかわらず、軽微な違法に目をつぶり、その管理者を撃退しさえする。彼のその姿勢は、物語の結末において、近代的な探偵物語における「謎を解明することでカタルシスを得る」という構造に潜む虚妄を暴くだろう。ここで彼は、紛れもなく村の守護者となる。しかし、悪を悪として見ないその姿勢は、いずれ必ず破綻する。そこで、彼はどのように生きるのか。続刊に期待したい。
善も悪も入り混じったこの灰色の世界において、果たして正義とは何か? 読者に投げかけられた問いは、あまりに重い。(三門)
G・D・ロバーツ『シャンタラム(上中下)』(新潮文庫)
- 作者: グレゴリー・デイヴィッドロバーツ,田口俊樹
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2011/10/28
- メディア: 文庫
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キャロル・ネルソン・ダグラス『おやすみなさい、ホームズさん』(創元推理文庫)
おやすみなさい、ホームズさん 上 (アイリーン・アドラーの冒険) (創元推理文庫)
- 作者: キャロル・ネルソン・ダグラス,日暮雅通
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2011/11/19
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ニコラス・ブレイク『ワンダーランドの悪意』(論創海外ミステリ)
- 作者: ニコラスブレイク,Nicholas Blake,白須清美
- 出版社/メーカー: 論創社
- 発売日: 2011/11
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ケヴィン・ブロックマイヤー『第七階層からの眺め』(武田ランダムハウスジャパン)
- 作者: ケヴィンブロックマイヤー,金子ゆき子
- 出版社/メーカー: 武田ランダムハウスジャパン
- 発売日: 2011/11/17
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N・K・ジェミシン『空の都の神々は』(ハヤカワ文庫FT)
- 作者: N・K・ジェミシン,佐田 千織
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2011/10/21
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フランク・ティリエ『シンドロームE(上下)』(ハヤカワ文庫NV)
- 作者: フランク・ティリエ,平岡 敦
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2011/11/25
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