深海通信 はてなブログ版

三門優祐のつれづれ社畜読書日記(悪化)

デレク・B・ミラー『砂漠の空から冷凍チキン』(2016)

2013年、『白夜の爺スナイパー』(集英社文庫、2016年)でデビューした作家の第二作です。前作を大絶賛した身としてはかなり期待して読み始めたのですが、正直よく分からない部分が多々ありました。 砂漠の空から冷凍チキン (集英社文庫) 作者: デレク・B.ミ…

マージェリー・アリンガム『検屍官の領分』(1945)

論創海外ミステリ、2005年刊 原題: Coroner’s Pidgin 第二次世界大戦末期(1944年前後?)が舞台。大陸での数年間の秘密任務から解放され久々に英国の土を踏んだキャンピオンがロンドンのフラットでのんびり風呂に入っていると、従僕にして友人のラッグが、…

掘削深度1:アントニイ・プライス『隠された栄光』(1974)

前記事がTwitterでなぜかバズってしまったので、仕方なしに連載を開始することにする。バズったおかげでジャンジャン(?)情報が集まってきているのはありがたいことだが。 deep-place.hatenablog.com さて第一回の課題本として選んだのは、アントニイ・プ…

ハヤカワノヴェルズ未文庫化作品を掘削する①(準備編)

前からボチボチ作っていた「ハヤカワノヴェルズ」全リストが完成した。と言っても、「翻訳作品集成」のページの抜け情報をwikipedia他で補填しただけで、実際の本に全て当たったとかそこまで気合の入ったものではない。完全に自分用リストである。 それによ…

【未訳作品紹介】アンドリュー・ウィルソン A Talent for Murder (2017)

アガサ・クリスティーの名を知らないミステリファンは恐らくいないだろうし、仮にミステリファンでなかったとしても『そして誰もいなくなった』や『アクロイド殺し』といった作品に何らかの形で触れたことのある人は多いと思われる。(最近日本人キャストで…

皆川博子未収録短編読書まとめ③

ということで二つ戻って今回は第三回となります。実質第四回ですが。そしていつの間にやら『皆川博子の辺境薔薇館』の発売日はもう明日に迫っております。早く読みたいような、この集中連載が終わるまでは待って欲しいような…… 皆川博子の辺境薔薇館: Fragme…

皆川博子未収録短編読書まとめ⑤

はい。⑤です。③と④でやるはずだったコピー用紙の束を職場のロッカーに突っ込んだまま忘れてきたので、⑤でやるはずだった短編を先に紹介します。都合により六篇。一篇ごとの分量もやや少なめに。 皆川博子の辺境薔薇館: Fragments of Hiroko Minagawa 作者: …

皆川博子未収録短編読書まとめ②

昨日に引き続き、今日も皆川博子の未収録短編を読んでいきます。『辺境薔薇館』発売日には間に合わないにしても、それほど長引かせず終わらせたいショート企画ですが如何に…… 皆川博子の辺境薔薇館: Fragments of Hiroko Minagawa 作者: 河出書房新社編集部 …

皆川博子未収録短編読書まとめ①

来週の金曜日5月25日に皆川博子先生の100作目の単著、『皆川博子の辺境薔薇館』(河出書房新社)が刊行されるとの由。インタビューや未収録短編、また作家、評論家ら数多くの皆川博子ファンのエッセイが寄稿されるとのことです。 皆川博子の辺境薔薇館: Frag…

サバービコン(2017)

評論家の三橋曉氏オススメの映画「サバービコン」を観てきた。本日初日。 1959年、大都市郊外の住宅地「サバービコン」が舞台。ロッジ夫妻の家の隣に黒人のマイヤーズ一家が引っ越してきたところから物語は始まる。いや実はもっと昔から始まっていたのかもし…

購書読書日記(20180501)

最近腰が痛いような気がして家の近くの整骨院を訪れるも、激混みとかで予約を入れるに留まる。整骨院なんて初めて来たので、勝手も相場もまったく分からない。お財布にいくらくらいお金を入れていけばいいのやら。 ついでに近くの古本屋を見る。古本の強者が…

購書読書日記(20180424)

最近ちょっと買いすぎなので記録してレコーディングダイエットする。 4/24(火):曇りのち雨のち曇り 休みなので昼から神保町へ。前日ポパイの増刊号を買い、完全にカレー脳になっていたはずだが、途中の電車で「汁なし担々麵喰いてえなあ」となり、九段下…

「私訳:クリスチアナ・ブランド短編集」について③

deep-place.hatenablog.com 昨日に続いて本日は、第二編「バンクホリデーの殺人」をご紹介。 スキャンプトン・オン・シーに高名な映画プロデューサー、マーカス・ロームがやってきた。病後の療養のための滞在ということで派手な活動を抑えていたのは事実だが…

「私訳:クリスチアナ・ブランド短編集」について②

deep-place.hatenablog.com ということで、短編集の内容紹介に移ります。本短編集に収録しているのは以下の二編です。 ・「白昼の毒殺者」 Cyanide in the Sun (1958) ・「バンクホリデーの殺人」 Bank Holiday Murder (1958) この二編、「スキャンプトン・…

「私訳:クリスチアナ・ブランド短編集」について①

先にも書きましたが、5/6(日)の第二十六回文学フリマ東京にて、「私訳:クリスチアナ・ブランド短編集」を頒布します。スペース位置は2階のカ-57。サークル名は「クラシックミステリゲリラ翻訳部」です。今後はこのサークル名で活動しますのでよろしく。 …

第二十六回文学フリマ東京に出展します

最近何をしていたかというと、「シミルボン」という書評サイトでひたすらひたすら『イギリス・ミステリ傑作選』(ハヤカワ・ミステリ文庫)の短編レビューを書いておりました。完結したので、見てくれると嬉しい。通りすがりでも「いいね」をしてくれるとな…

田中相『LIMBO THE KING』感想

田中相『LIMBO THE KING』(ITANコミックス)を1巻から3巻まで一気に読んでしまった。3巻は今月の頭に出たばかり。私はKindleでまとめ買いした。 twitterで試し読み広告が回ってきたのが事の発端。個人的にはSNSの広告をクリックすることはまずないので、超…

2017年新刊回顧③

一か月ぶりの2017年新刊回顧第3回です。そろそろランキング本も出ますので、動き出したいと思います。詳細は第1回および第2回をご覧ください。 今回は、10位から6位までを見ていきます。 第10位:マイケル・イネス『ソニア・ウェイワードの帰還』(論創海外…

2017年新刊回顧②

2017年新刊回顧第2回です。詳細は以下の第1回の冒頭をご覧ください。 今回は、15位から11位までを見ていきます。 15位:ラグナル・ヨナソン『雪盲』(小学館文庫) 雪盲?SNOW BLIND? 作者: ラグナル・ヨナソン 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2017/05/26 …

2017年新刊回顧①

いよいよ2017年も終わってしまいましたね。正直なところ主にスマホゲーの影響で、今年は全然新刊が読めておらず、なんとなく心苦しい気持ちです。翻訳ミステリは50冊前後ですね。これほど読まなかったのは十年ぶりくらいかも。 そんな少ない冊数でも、「この…

CADS76号到着

ここもとtwitterの知り合いが次々にブログを立ち上げては真面目な書評を掲出しまくっている(毎日更新は偉い)ので、私もふと更新を考えました。しかし最近は新刊すらまともに読めておらず(仕事が忙しいのではないですが)、諦めかけていたところで、面白い…

皆川博子『U』を読む

皆川博子が「オール讀物」で連載していた作品『U』が、先月発売号で完結したので読んでみました。 2016年10月号から2017年8月号までということで、全11回の連載になります。一回当たり平均して16ページ程度の分量で、一ページの文字数は1200文字くらいですか…

社畜読書日録20170624(西千葉猟書編)

久々に古本ツアーなるものをやってみたくなったのである。しかしながら、中央線沿線や神保町はありふれすぎてつまらない(実際行けば買うものもいくらも見つかるでしょうが)。滅多なことでは行かない東東京・西千葉を攻めてみることにした。土地勘(という…

社畜読書日録20170618(弘前旅情編②)

飲んで運動(徒歩)して疲れて寝て、起きたらもう朝ごはんの時間だったのでさっさと詰め込む。リンゴジュースが美味しかった(小並感)。越前先生の講演会という選択肢もあったが、前日の古本屋チェックの際に、弘前駅の東側にブックオフが二軒あるのを見お…

社畜読書日録20170617(弘前旅情編①)

エラリー・クイーン『中途の家』読書会のために弘前に行った。お前どんだけクイーン好きなんだという話だが、まあ理由は色々。 一つには主催の本木さんに返したい本(評論系同人誌)があったからだ。知る人ぞ知る硬派な未訳古典ミステリ研究誌『ROM』の「ユ…

社畜読書日録20170610-11

今日とて出社。ろくに生きていない。退勤後、サクサクと池袋へ。ミステリとお酒大好きおじさん会に参加。東口から北へ10分ほど歩いた先の「万事快調」はクラフトビールと日本酒のお店。 https://tabelog.com/tokyo/A1305/A130501/13149877/ ビールを飲むには…

社畜読書日録20170608

仕事上がりに渋谷のBunkamuraで「ソール・ライター展」を観覧。色遣いがナビ派チックであるとか、構図がドガっぽい(浮世絵っぽいと言っても可)とか、どう考えても日本人に受けないはずのない展覧会だった。モノクロも大変クール。金曜夜ということでかなり…

社畜読書日録20170607

祖母の葬式明けで忌引き扱いだが、社畜根性を発揮し午後の打ち合わせだけ出る。「一時間で終わる」はずが二時間半になるのはもはや様式美。長引いたというより当初の目算が甘すぎるのであった。帰りに紀伊國屋に寄って新刊確保。 ボストン・テラン『その犬の…

社畜読書日録20170605-0606

またしばらく失踪してしまった。特に書くことがなかったとか言わない。 昨日から今日にかけて一気に古本を買ったので一応メモしておく。 佐野洋『婦人科選手』(講談社文庫)\108佐野洋『空翔ける娼婦』(文春文庫)\108佐野洋『殺人書簡集』(徳間文庫)\10…

社畜読書日録20170601

たまの休みでアキバに出掛ける。食い道楽気味の弟が発見した(が、一人では入りにくい)というイタリアン「Casa di SIVATA」にランチで入店。裏通りからさらに一つ曲がったところ、急な外階段を登った先のお店で、キャパ12人くらい。我々が入った時には女性…